引き出しを増やす―読書編―【咲楽】
- kazarashiromeshi
- 2024年1月19日
- 読了時間: 5分
みなさんあけましておめでとうございます!!
一応新年コメントは出したけど、ブログ始めということで!!いやーついに新年あけちゃいましたね。
さて、新年一発目のブログは何を書こうか迷ったんですよ。まぁでもたまには、私が思うことを書くのもいいかなぁと思って書いてみようと思います。
突然なんですけど、評価される創作者たちってなんであんなすごい作品を作れるんでしょう。作家だったり、ボカロPさんだったり、絵師さんだったり、その他……、いろいろ世間に評価される感性を持ってる人って、一体どうやって生きたらそうなるんだろうってよく思うんですよ。
そう考えたときに、私が1つ思うのは「引き出しの多さ」なんじゃないかなぁ、と。
いろいろなものを全部吸収して、いざ作るときにそれを持ってこれる人。いろんなものにアンテナをはって、積極的に学ぼうとする人。
そのなかでも、読書って引き出しを増やすの手段の1つとして最適だと思うんですよね!まぁ、最近私が読書にはまってるっていうのもあるんですけど(笑)語彙とか表現とかもそうですけど、作家さんの考え方とか、思い、主張なんかもきっと引き出しのひとつになりうると思うんです。読んでみて、「これ、合わない」と思うのもまたいい。嫌い、合わない、という感覚、経験も引き出しのひとつになる。私の知り合いのすごいひとが「読書は人生を豊かにする」っていってたんですけど、本当にそのとおりだなって。話さずとも、いろいろな人の思想、思いが詰まったものをたった一冊で感じれるんだからお得ですよね。
それでは、私の最近読んだおすすめの一冊を紹介します。絵描きの(最近読書にはまった)独り言だと思ってお読みください。なるべくネタバレしないようにお話ししますが、ネタバレが怖いという人は、ぜひこの本を読んでから、このブログを見てみることをおすすめします。
『汝、星のごとく』
「第20回本屋大賞」にも選ばれたこの作品ですが、本屋で見かけたこともあるんじゃないでしょうか?タイトルの通り星を連想させる美しい表紙が特徴的です。 私もこの表紙に惹かれて、(星モチーフとか大好きなので)読んでみたんですけど、いい意味で裏切られた作品でした。表紙のように、ただきれいなお話じゃない、人が人として生きることの難しさ、幸せの難しさを感じる作品でした。
具体的にどんな内容かっていうと、瀬戸内海の島に育った高校生の暁海(あきみ)と母親に連れられて島に引っ越してきた同じく高校生の櫂(かい)。この二人はともに、親に振り回されている、という点で共通しているんです。かたや、父親が不倫して家に帰ってこず、そのため精神に不調をきたしている母親をかかえる暁海。そして、「男なしでは生きていけない」シングルマザーの母親をかかえる櫂。ともに「つらい」状況にある二人はともに惹かれていきます。高校生の間、ふたりは付き合い、親に振り回される生活を送りながらも青春を送ります。しかし、ここで立ちはだかるのは、二人のそれぞれの将来でした。東京に出て、相棒と一緒に漫画をつくりたい櫂。精神を病みかけている母をおいていけない暁海。ふたりはそこで遠距離恋愛という選択をするのです。ここまでがふたりの高校生時代の主なあらすじです。
この作品の面白いところは、どっちが主人公、ということがなく、暁海視点と櫂視点が交互に入れ替わって物語が進んでいく点です。ひとつ、なにかイベントがあったとき、このとき櫂はどう思ってたのかな、暁海はどう感じていたのかな、ということがわかります。それゆえに、ふたりのすれ違いもわかります。あのときこうだったのに、お互いに思ってたのに、という読者にしか感じられないやるせなさも、この交互視点だからこその持ち味だなーって思います。
この本の大事なところは、「恋愛小説」ってことなんですよね。この二人だけでなく、櫂の母、暁海の両親をはじめとし、二人の先生である北原先生も、櫂の相棒も、みんな「愛」に惑わされ、悩みます。二人だけじゃなく、周りの人もそれぞれ悩みがある、という点が面白いなと思います。
あと、この本の構造的に面白いな、って思う点が交互の視点のほかにもあって、プロローグなんですよね。プロローグ読んで、普通にそのあと読み進めてくと、おそらく「?」ってなります。私もなりました。なんでこの人とこの人がこうなってるの?ってなると思います。でも最後まで読んでいくと、全部解決します。この小説はすっきり爽快!というよりは、読後に、うわあ……って後ろ髪惹かれるような、考えこんじゃうタイプの小説だと思ってるんですけど、このプロローグの謎は解明されます。その点に関しては、ものすごーく納得します。
最後にもうひとつ、タイトルです。「汝、星のごとく」、なぜ汝なのか、星のごとくなのか、といった謎は、詳しくは解明されませんし、言及もされません。でも、このタイトル自体には、作品で言及されます。なにいっとんじゃ、と思った人は申し訳ありません、きっと読めばわかるはず。読み終わったあと、私はこのタイトルがたまらなく愛おしくなりました。
長々となりました(笑)絵描きなのに、完全に読書ブログになっちゃいました。
でもやっぱり、冒頭に述べた通り、良い絵を描くには読書も大事だなって思うんですよ。ここの、絵描きさんたちがたくさん見てくれるであろう(?)このブログでお話してみたかったんです。
それではまた次回、お会いしましょう、バイバーイ!
咲楽

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